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2020.04.24更新

新型コロナウイルス感染症の拡大により、経済にも大ダメージを受けています。

こうした大変な状況でも、もし親族が亡くなり、相続が発生した場合には、相続人は財産調査や銀行の解約、役所の手続き等を進めていかなくてはなりません。
特に、相続放棄や相続税申告・納付、準確定申告といった相続関連の手続きには、期限があります。しかし、緊急事態宣言により、役所や金融機関、裁判所の機能が制限されている地域もあり、思うように手続きを進められないことも多いでしょう。
その場合はどうしたらよいのか?

今回は、特にこの「相続放棄の期限(熟慮期間)」についてのご説明をさせて頂きます。

 

1、 熟慮期間について

 亡くなった方が残した財産(いわゆる相続財産)とは、プラスの財産だけではなくマイナスの財産もそれにあたります。
プラスの財産(預金や不動産、株式等)だけを引継ぎ、マイナスの財産(借金や未払金等)は引き継がないといった都合の良いことはできません。
(※プラスの財産の範囲内でのみマイナス財産を引き継ぐ「限定承認」という方法は存在します)
そのため、相続で引き継ぐ前に、相続財産に借金がないか、借金の連帯保証人になっていないか、仮に借金があった場合にはいくらぐらいあるのか等も調べておく必要があります。
もし、借金が、プラスの財産より多くて財産を引継ぎたくない場合には、亡くなった方の住居地を管轄する家庭裁判所に対して相続放棄申述申立てを行うことにより、プラス財産もマイナス財産も一切引き継がないことができます。

ただし、この相続放棄は「相続人は、自己のために相続の開始があったことを知った時から3ヶ月以内(この期間を「熟慮期間」といいます)にしなければならない」と定められております。(民法915条1項本文)
相続の開始があったことを知った時から3ヶ月経過したにも関わらず、「相続放棄」・「限定承認」のいずれもしない場合には、単純承認したとみなされ、プラス財産もマイナス財産も引き継ぐことになり、原則として相続放棄をすることができなくなります。

 

 

2、 熟慮期間の伸長について

では、令和2年4月7日に緊急事態宣言が発令され、外出も控えないといけない中で、人の多い役所や銀行へ行くのは怖いし、そもそも遠方の役所に行けないし、郵送で行うにもかなり時間がかかる。銀行や役所も人員を最小限で営業しているため、財産を調査したりするのにはかなりの時間がかかってしまうという方もたくさんいらっしゃるかと思います。
こうした場合に家庭裁判所に申立てをすることで、この相続放棄ができる期間(限定承認も同様)「熟慮期間」を伸長できます。

 

 

3、 どのような場合に認められるのか

家庭裁判所では、熟慮期間中に放棄や承認の意思決定を行うことが困難な状況かを審査し、伸長の可否が決定されます。
例えば、相続人が多い、海外や遠隔地に居住している場合、相続財産が所在場所や複雑な場合等がこれにあたる場合が多いでしょう。新型コロナウイルス感染症の影響を理由とした熟慮期間の伸長は、基本的に認められる可能性が高いです。

外出自粛や金融機関・官庁等の営業時間短縮・人員制限などで、現実的に相続手続きを円滑に進めることは困難な状態にありますので、
政府より緊急事態宣言が出ている中、熟慮期間を伸長する必要性が高いと言えます。

 

 

4、 どれくらいの期間伸長が認められるのか

通常、1ヶ月から3ヶ月程度の伸長が認められます。
しかし、新型コロナウイルスは前例がないくらい社会に影響を及ぼしているので、裁判所の判断により、熟慮期間の伸長についても通常時より長い期間が認められるという可能性は十分にあります。

 

5、期間伸長の申立てをしなかったらどうなるのか

この期間内に相続放棄または限定承認を行わなかった場合、単純承認したものとみなされます。原則として、プラスの財産とマイナスの財産の両方引き継ぐことになります。

※相続発生したことを知った時から、3ヶ月が経過してしまった場合も、相続放棄を期限内にできなかったことについて「相当な理由」がある場合には、相続放棄が認められるケースもあります。こういった方は、例外的な対応になるため、弁護士・司法書士等の専門家にご相談されることをお勧め致します。

 

6、熟慮期間(相続の承認又は放棄の期間)伸長 手続き書類・流れ

・亡くなった方(被相続人)の最後の住所地を管轄する家庭裁判所に申立書の申請を行います。
・申立書の作成と添付資料(戸籍謄本・亡くなった方の住民票除票等)の準備

・800円の収入印紙
・予納郵券(切手)(※各家庭裁判所により異なりますので、事前に確認しましょう)
・裁判所が審判を行い、通知書が送られてきます。

 

 

7、まとめ

 

現在、様々なところで新型コロナウイルス感染症の影響がある中、相続が発生した、熟慮期間の3ヵ月が過ぎそうになった場合は、財産の概要が分からないまま引き継ぐか、放棄するのか決めるのではなく、すべての財産を把握し、適切に意思表示を行う期間を確保するために、熟慮期間の伸長の申請することはとても大切です。
一方で、新型コロナウイルス感染症の影響で、熟慮期間の伸長は認められる傾向にあるとはいえ、その認否・期間の程度についても、裁判所の個々の案件に対する判断であることに変わりはありませんので、このような緊急事態の下では、特に、一刻も早く、スムーズに手続きを進めることができるよう専門家にご相談されることをお勧め致します。

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投稿者: 司法書士法人やなぎ総合法務事務所

2020.04.20更新

新しく2020年の4月1日より
配偶者居住権」という権利が認められることとなりました。
この権利制度は新しく認められるものですが、これから相続手続を行う多くの方にとって重要な手続きですので、是非ご参考にしてみてください。

 

1. 配偶者居住権とは

配偶者居住権とはその名の通り、配偶者が相続発生の前から住んでいた自宅に関しては、
不動産の所有権を取得しなかった場合にも「住み続けていい」ということを認める権利です。

図1

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図1の事例をもとに考えていきましょう。
図1の事例の、父の財産を妻と子で1/2ずつ分けることとなります。
妻と子がうまくいっているケースでは争うこともなく問題ないと思いますが、相続で話し合いがまとまらず、争いになった場合が問題です。
自宅の価値が2000万円、預金が3000万円で、合計5000万円を子と妻で1/2ずつ分けるとなると、相続財産として子と妻は各々2500万円となります。
妻は、自宅ですので手放すわけにはいかないため、自宅2000万円と、預金500万円を相続すると決断されることが多いでしょう。
もし、妻が自宅の権利を相続すれば、誰にも文句を言われる筋合いもなく、その自宅に住み続けることが可能です。

しかし、妻は住む場所はあるけど、預金を相続できるのが、500万円となり、生活費の不安が出てきてしまいます。

一方で、妻が自宅の権利を相続しなかった場合には、最悪の場合、権利を相続した子から、自宅を追い出されてしまう可能性もあります。

一そうすると、手元の生活費を優先して、①自宅を売却して現金化し、子と1/2ずつ分けるか、②妻が預金を相続し、自宅を子に相続させるという方法になり、
いずれにしても妻は困ってしまいます。


こういったことが起きないために、配偶者が家の権利を相続しなかった場合にも、
自宅に住み続けるだけの権利「配偶者居住権」を認めようということで、この制度ができました。

2. 権利について(長期配偶者居住権の場合)

不動産には「所有権」という権利があります。
この所有権は「使用権(住む)(使う)」と「その他の権利(売却・処分・管理する権利等)」がセットになった権利です。

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新しい権利である「配偶者居住権」はその2つの権利を分割し「使用権」のみ認め、「その他の権利」については他の相続人に相続する事ができるようにしました。

図1で説明したケースですと、配偶者居住権という権利ができたことで、
相続物件の1/2(※分かりやすく使用権の価値を仮に1000万円とします)を配偶者、残り1/2(※1000万円)を子、預金も1500万円ずつ分けることが可能となります。
これにより、妻は預金も以前より多く相続しつつ、自宅に住み続けることができることになります.

※ 配偶者居住権の財産的価値の評価については,様々な評価方式がありますが,例えば,公益社団法人日本不動産鑑定士協会連合会では,評価方式を明らかにした研究報告書を公表しています
 また,相続人との話合いで遺産分割をする場合には,より簡便な評価方式を利用することも考えられますが,法務省でもそのような評価方式の一例【PDF】を紹介しています。このほか,相続税における配偶者居住権の価額の評価方法を参照することも考えられます。
相続人との話合いの内容によっては,必ずしも配偶者居住権の財産的価値を評価する必要がない場合もあります。

3. 配偶者居住権のポイントと注意点

 

配偶者居住権のポイントと注意点を解説します。

① 相続発生時に、その自宅に住んでいた配偶者のみに与えられる権利
配偶者居住権は、元所有者に相続権が発生した時点で、自宅に住んでいた場合にのみ認められますので、別居をしていた場合などには認められません。
ただし、配偶者が相続発生時に施設や病院に一時的に入所している場合は、実質的には居住していたと認められることがあります。

② 長期配偶者居住権は不動産の登記が必要
不動産の権利については、法務局にて管理している登記簿謄本という情報があるのですが、長期配偶者居住権はこちらに登記をしなければ対抗できません。
登記をしていなければ、所有者に第三者へ不動産を売却されたり、国から差し押さえをされた場合に、配偶者は使用する(住み続ける)権利を主張できないことになってしまいかねません。
※この点、後述する登記なしで認められる短期配偶者居住権とは全く異なりますので注意が必要です。
※配偶者居住権は建物にのみ与えられる権利で土地には付与されません。

③ 配偶者死亡時に配偶者居住権は消滅
この権利は、配偶者のみに認められる一身専属的な権利ですので、相続により引き継がれることや配偶者居住権を譲渡・売却等することはできません。そして、配偶者居住権を持つ配偶者が死亡したら、この権利は、消滅します。
そのため、仮に配偶者の他に、同居の子がいても、この子の住む権利が配偶者居住権により、当然に守られるわけではありません
(※別途、使用貸借権・賃借権があるかどうかという判断になってきます。)
そして、配偶者居住権は、配偶者の死亡後は通常の不動産所有権に戻ります。
仮に所有者家を売却する場合にも、登記された長期配偶者居住権は残り続けますので、実質的に売却は難しくなります。

もっとも,配偶者が配偶者居住権を放棄することを条件に,これによって利益を受ける建物の所有者から金銭の支払を受けることは可能ですので、その場合の配偶者居住権は消え、一般的な不動産所有権になります。
   
④ 施行日が2020年3月31日以前に発生した相続には適用できない
4月1日からの施行となりますので、それ以降では発生した相続にのみ適用される制度となります。

⑤ 共有持ち分については利用できない
他者との共有持分について配偶者居住権は利用できません
但し、被相続人と配偶者で共有の場合には利用可能とされています。(民法1028条)


Q&A


Q1, 遺贈や遺産分割により、配偶者居住権が認められない場合には、配偶者は、被相続人の居住建物に無償で居住することは一切出来ないのか?

A1, 配偶者は、相続開始時に被相続人の居住建物に無償で住んでいた場合には遺言や遺産分割で配偶者居住権が認められなくても、相続開始後最低6か月間、居住建物を無償で使用する権利(短期配偶者居住権)を取得する事ができます。

Q2, 子供へ配偶者居住権の買取請求を行う事はできますか?
また、第三者に賃貸する事は可能でしょうか?

A2, 配偶者から一方的な買取請求を行える権限はありません。ですが、子供に同意を得られれば、買い取ってもらう事は可能です。


その場合には買い取った権利の配偶者居住権は消滅し、いわゆる完全な不動産の所有権を得ることとなります。
配偶者が不動産の所有権を有しておらず居住権のみある場合で、第三者に賃貸する場合には、不動産の所有権を持つ権利者へ了承を得る必要があります。

Q3, 配偶者居住権を取得しましたが,その後,老人ホーム等に入居することになりました。いらなくなった配偶者居住権を第三者に売って,介護施設に入るための資金を得たいと考えているのですが,どのようにしたらよいですか?

A3, 建物の所有者の承諾を得れば,第三者に居住建物の使用又は収益をさせることができますので,例えば,使用しなくなった建物を第三者に賃貸することで,賃料収入を得て,介護施設に入るための資金を確保することもできます。

Q4, 配偶者居住権が存続している間,配偶者と居住建物の所有者には,どのような法律関係が生じますか?

A4, 配偶者居住権が存続している間の,配偶者居住権者と居住建物の所有者との主な法律関係は,次のとおりです。
 (1) 居住建物の使用等について
 配偶者居住権者は,無償で居住建物に住み続けることができますが,これまでと異なる用法で建物を使用することはできないほか(例えば,建物の所有者に無断で賃貸することはできません。),建物の使用に当たっては,建物を借りて住んでいる場合と同様の注意を払う必要があります。
 (2) 建物の修繕について
 居住建物の修繕は,配偶者がその費用負担で行うこととされています。建物の所有者は,配偶者が相当の期間内に必要な修繕をしないときに自ら修繕をすることができます。
 (3) 建物の増改築について
 配偶者は,建物の所有者の承諾がなければ,居住建物の増改築をすることはできません。
 (4) 建物の固定資産税について
 建物の固定資産税は,建物の所有者が納税義務者とされているため,配偶者居住権が設定されている場合であっても,所有者がこれを納税しなければなりません。もっとも,配偶者は,建物の通常の必要費を負担することとされているので,建物の所有者は,固定資産税を納付した場合には,その分を配偶者に対して請求することができます。

 

まとめ

これまで相続の場面でたびたび課題として直面する配偶者の生活・住居確保についての問題がこの制度によって大きく変わると考えられます。
弊所でも不動産の名義変更や相続業務について、多くのご相談を頂いております。現在、子供との関係がうまくいっていない方、子供と疎遠で将来が心配な方は是非一度弊社にご相談ください。

 

jikaiyoyaku

 

 

 

投稿者: 司法書士法人やなぎ総合法務事務所

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